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変えられて、傾いてきた積荷をあわてて押さえる場面もありました。
われわれは、舷門をまたいだその時から、そこは常に揺れという特殊な状況に支配された空間であるということをもっと意識し、危険を予知する必要があるのではないでしようか。
デッキあるいは作業甲板で、重量物が走り出してから、あわてて押さえても、もう遅いのです。
皆さんの船では、経験上かなりの部分で安全対策がとられていることとは思いますが、ここでちょっと考えてみてください。
それらの対策は自分で気がつき、考えて設備したものは少ないと思います。
むしろ、私たちは先人の遺産やアイディアの中に身をおいて、なんとなく安全な毎日を送らせてもらっているに過ぎないのではないでしょうか。
いま揺れているんだ、だからどうなるか、という当たり前のことの中に、結構考えさせられる問題の多いことに驚かれる方も多いと思いますが、いかがでしょうか。

 

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